静かなるADHD?「不注意優勢型」の僕の頭の中と、そのユニークな才能の活かし方

ADHD攻略

こんにちは、「AmbiLabo」のAmbiです。

「ADHDじゃないでしょ、おとなしいもん」 もしあなたがそう言われたことがあるなら、この記事はあなたのためのものです。(自分も言われたことがあります。)

ADHDと聞くと、落ち着きなく走り回る子供をイメージしませんか?でも、僕のように、外見は静かなのに、頭の中だけが常に嵐、というタイプの人間もいます。それが「不注意優勢型」です。

この記事では、僕たちの脳を一台の「F1カー」に例えながら、このユニークなマシンの性能と「操縦マニュアル」を解説します。

「不注意優勢型」のドライバーは『哲学者』である

僕たちの脳が積んでいるエンジンは、他のタイプのADHDと同じ「F1仕様」です。しかし、そのモンスターエンジンを操るドライバーのタイプが全く違います。

多動・衝動性が強いタイプが、常にアクセルを踏み込みたがる「攻撃的なレーサー」だとしたら、僕たち不注意優勢型のドライバーは「常に考え事をしている、哲学者のようなドライバー」なのです。

「弱み」という名の、哲学者の運転のクセ

この哲学者のようなドライバーは、ユニークな運転のクセを持っています。これが、僕らの「弱み」の正体です。

特性①:忘れっぽく、物をなくしやすい

短期的な記憶(専門用語で、ワーキングメモリ)に情報を留めておくのが苦手で、すぐに別のことに注意が移ってしまうため、さっきまで考えていたことや、物の置き場所などを忘れやすい傾向があります。

F1カーで例えるなら、ドライバーが目の前のレース(やるべきこと)よりも、マシンの計器に表示される膨大なデータ(頭の中のアイデア)の分析に夢中になってしまい、ピットクルーとの短い交信(短期記憶)をすぐに忘れてしまうのです。

特性②:上の空で、話を聞いていないように見える

自分の内側の思考や、興味のある外部の刺激に注意が向きやすいため、目の前の会話や作業に集中できず、ぼーっとしているように見られがちです。

F1カーで例えるなら、 ドライバーがレース展開よりも遠くの美しい景色(新しい興味)や、エンジンの微細な音の変化(内省)の方に意識を奪われている状態です。外から見ると、素晴らしいマシンなのに、どこか上の空で、反応が鈍く見えてしまいます。

「強み」という名の、哲学者の真の力

しかし、この哲学者のようなドライバーは、他の誰にも真似できない、驚異的な「強み」も持っています。

  • 強み①:創造性・独創性 常に考え事をしているドライバーは、他のレーサーが気づかないような、全く新しい走行ラインや、革新的な戦略(誰も知らない近道)を、ふとした瞬間に見つけ出します。彼の「脇見運転」と「考え事」は、独創的なアイデアの源泉なのです。
  • 強み②:過集中(ハイパーフォーカス) 一度「面白い!」と何かに集中すれば、他のどんなドライバーよりも深く、長く、その分析に没頭できます。食事も忘れて何時間も集中できる、あの状態です。

操縦マニュアル:哲学者のようなドライバーを、どう乗りこなすか?

  • 弱みを補う(守りの操縦): 短期記憶の弱さは、スマホのリマインダーやメモ帳(Google Keepなど)という「外部記憶装置」を徹底的に活用することで、完璧に補えます。ピットクルーとの交信を、全て自動で記録してくれるシステムを導入するイメージです。
  • 強みを活かす(攻めの操縦): 独創的なアイデアを最大限に活かすためには、あえて「じっくり考える時間」を作ること。目的もなく、ただデータを眺めたり、本を読んだりする「余白の時間」が、最高の戦略に繋がります。

まとめ:僕たちは、考える葦(あし)のレーサー

僕らは、スタートダッシュで前に出るタイプのレーサーではないかもしれません。でも、誰よりも深く考え、誰も思いつかない戦略で、レース全体を支配する力を持っています。

大事なのは、自分が乗っているのが、ただのF1カーではなく、「哲学者が運転する、特別なF1カー」だと知ることです。


この記事を読む上での重要なお願い(免責事項)

この記事で解説しているADHDの特性や、その活かし方に関する考察は、筆者自身の経験とリサーチに基づいたものであり、特定の生き方やキャリアを推奨するものではありません。

ADHDの特性の現れ方や、最適な環境は、一人ひとり全く異なります。この記事は、ご自身の特性を理解し、可能性を探るための一つの「視点」としてご活用ください。

また、この記事は医学的な診断や治療に代わるものではありません。ADHDの診断や治療、あるいは仕事や人間関係における深刻な悩みについては、必ず医師やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。

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