ADHDの脳は「運動」でハックせよ。僕のF1エンジンを最適化する、最強のサーキット走行術

運動

「AmbiLabo」のAmbiです。

常に頭の中が多動で落ち着かない、じっとしているのが苦手…。その感覚、よく分かります。

この記事でも、これまでの記事と同じように、僕たちの脳を一台の「車」に例えながら、お話ししていきます。

さて、その落ち着きのなさは、あなたの脳の「F1エンジン」が、有り余るエネルギーを持て余して、空ぶかししている状態なんです。

この記事では、その凄まじいエンジンパワーを最高の形で発散させ、脳のパフォーマンスを最大化するための、最高の「サーキット走行術」、つまり運動について、僕が実践している具体的な方法と共に解説します。


なぜ「運動」は、ADHDにとって最高の薬なのか?

運動が僕らの脳にもたらす効果は、精神論ではありません。科学的に証明された、極めて合理的な脳のハッキング術です。

  • ①脳の「ガソリン(ドーパミン)」を増やす: 運動、特に筋トレやHIIT(ヒート)は、脳内でドーパミンやノルアドレナリンの分泌を促します。これは、エンジンの燃料タンクそのものを大きくするようなもの。ガス欠しにくい、安定した脳の状態を作ります。
  • ②脳の「冷却水(BDNF)」を循環させる: 運動は、BDNF(脳由来神経栄養因子)という、脳の神経細胞を育て、守る「冷却水」のような物質を増やします。これにより、オーバーヒートしがちな脳を守り、思考をクリアに保ちます。
  • ③脳の「運転手(実行機能)」を育てる: 運動は、脳の前頭前野、つまり「運転手」である実行機能の働きを活性化させます。運動を続けることで、気まぐれだった運転手が、少しずつ熟練のドライバーへと成長していくのです。

AmbiLabo流「サーキット走行術」:僕の基本戦略

僕の戦略は、大きく分けて2種類。脳をブーストさせる「短時間の高強度運動」と、脳の土台をじっくり作り上げる「中強度の筋力トレーニング」です。この2つを、あなたの体力や好みに合わせて組み合わせるのが、最強の戦略だと考えています。

短時間の高強度運動:HIIT(ヒート)

時間がない、でもすぐに頭をスッキリさせたい。そんな時に行うのがHIIT(高強度インターバルトレーニング)です。短時間で心拍数を一気に上げることで、脳内のドーパミンを爆発的に増やし、思考をクリアにします。

  • 最強のHIIT①:バーピージャンプ(上級者向け) 僕が実践しているのはこれです。全身を使う究極の運動ですが、最初はキツいかもしれません。
  • 初心者のためのHIIT②:その場での全力もも上げ バーピーが難しいと感じたら、まずは「20秒間、その場で全力でもも上げをして、10秒休む」を8セット(合計4分)繰り返すだけでも、絶大な効果があります。

脳をハックする筋トレ、3つの基本原則

長期的に、ブレない集中力と安定したメンタルを手に入れるために、僕が最も重要視しているのが筋力トレーニングです。僕が自宅でバーベルを使ってまで筋トレをするのは、これからお話しする3つの原則が、脳のパフォーマンスを最大化する上で、科学的に最も効果的だと考えているからです。

  • 原則①:大きな筋肉を狙え 脚(スクワット)、胸(ベンチプレス)、背中(デッドリフト)など、大きな筋肉を鍛えると、脳内のドーパミン等の分泌が最も活発になり、脳機能とメンタルの安定に、最大のインパクトを与えます。
  • 原則②:一度にたくさんの関節を動かせ(コンパウンド種目) 腕だけを鍛えるより、全身を使うスクワットの方が、脳への刺激は遥かに大きいのです。全身運動は、集中力や実行機能を司る前頭前野をフル稼働させます。
  • 原則③:常に「昨日より少しだけ強く」なれ(漸進性過負荷) 昨日より1回でも多く上げる、1kgでも重い重量を扱う。この「小さな挑戦」の繰り返しが、脳に成功体験を刻み込み、自信と自己肯定感を爆発的に高めます。

初心者のための、最初の一歩 難しく考えず、まずは自宅でできるスクワットから始めて、この3つの原則を少しだけ意識してみてください。「大きな筋肉(脚)を」「全身を使って」「前回より1回でも多く」。それだけで、あなたの脳は変わり始めます。(僕が自宅でやっている具体的なバーベルメニューは、また別の記事で詳しく解説しますね)


まとめ:まずは「4分間」サーキットを走ってみよう

ADHDの脳というじゃじゃ馬マシンを乗りこなす鍵は、その有り余るエネルギーを、運動によって最高の形で燃焼させてあげることです。

難しく考えず、まずは騙されたと思って、たった4分間の「その場もも上げHIIT(ヒート)」を試してみてください。たった4分後、あなたの頭の中の雑音が、驚くほど静かになっていることに気づくはずです。

さて、「食事」「睡眠」「運動」という3本の柱について、 F 1カーで例えながら解説してきました。

次回からは ADHD の強み、弱み、その活かし方、食事、睡眠、運動について深掘りしていきたいと思います。


【運動を始める前の重要なお願い(免責事項)】

 この記事で紹介している運動法は、筆者自身の経験とリサーチに基づいたものであり、全ての方に同じ効果を保証するものではありません。

健康状態、体力、既往歴は一人ひとり異なります。新しい運動を始める前、特に持病をお持ちの方や、体に痛み・不安がある方は、必ず事前に医師や専門家(理学療法士、認定トレーナーなど)にご相談ください。

ご自身の体調と安全を最優先し、無理のない範囲で実践いただくようお願いいたします。本記事の内容を実践したことによる、いかなる怪我や損害についても、当サイトは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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