「AmbiLabo」のAmbiです。
昼食の後、猛烈な眠気に襲われて、午後の仕事が全く手につかない… 夕方になると、頭に霧がかかったように、思考がまとまらない…
もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、それは、あなたの脳という「F1エンジン」が、深刻なエネルギー不足、あるいは燃料の質の問題を抱えているサインかもしれません。
このブログでは、僕たちの脳を一台の「F1カー」に例えながら、最高のパフォーマンスを発揮するための戦略についてお話ししていきます。
その鍵を握るのが、食事の基本であるPFCバランス。タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3大栄養素の比率です。
この記事では、巷で語られる「筋トレのためのPFC」ではなく、ADHD当事者である僕が、日中の集中力と精神的な安定を維持するためにたどり着いた、「脳を最適化するためのPFCバランス」について、その科学的根拠と具体的な実践法を、余すところなく解説します。
【Labo】脳にとっての「P・F・C」それぞれの役割
僕らの脳にとって、PFCはそれぞれ全く違う役割を持つ「燃料」です。
P (タンパク質) – 脳と神経の「原材料」
まず、最も重要な土台。それがタンパク質です。 僕らの脳内で、やる気や集中力を司る神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン)は、タンパク質が分解されてできる「アミノ酸」を材料にして作られます。 タンパク質の摂取が足りない、というのは、そもそもF1マシンのエンジンを組み立てるための鉄やカーボンファイバーが足りないのと同じこと。これなくして、パフォーマンスの安定はあり得ません。まさに「安定の土台」です。
F (脂質) – 長時間燃焼する「高密度燃料」
脳の約60%は脂質でできています。特に、オメガ3脂肪酸のような良質な脂質は、神経細胞の膜をしなやかに保ち、脳の炎症を抑える役割を持ちます。 さらに、脂質は、消化吸収がゆっくりで、長時間にわたって安定したエネルギーを供給してくれます。午前中に摂った良質な脂質は、午後の集中力までじっくりと支えてくれる。まさに「持続力の源泉」です。
C (炭水化物) – 即効性のある「ブースター燃料」
炭水化物は、脳が直接エネルギーとして使える、唯一の即効性のある燃料です。瞬発的な思考や、短期的な集中力を生み出すためには、不可欠な存在です。
しかし、この燃料は「諸刃の剣」。 お菓子やジュース、白いパンなどに含まれる単純炭水化物は、血糖値を急上昇させ、一時的に脳をハイにしますが、その後、インスリンが大量に分泌され、血糖値は急降下。これが、食後の猛烈な眠気や、思考力の低下の正体です。 これは、F1マシンに粗悪なニトロを噴射するようなもの。一瞬の加速と引き換えに、エンジン全体を不安定にしてしまいます。
一方で、玄米やオートミール、芋類などに含まれる食物繊維が豊富な複合炭水化物は、ゆっくりと糖に分解され、脳に安定したエネルギーを供給し続けてくれます。これこそが、僕らが選ぶべき「高品質なレーシング燃料」です。 炭水化物は、その「質」を見極めることこそが、「瞬発力の鍵」なのです。
【Ambi】私が実践する「脳のためのPFCバランス」
理論は分かった。では、具体的に何をどれだけ食べればいいのか? ここでは、ADHD当事者である私(体重65kg)が、実際に毎日食べているメニューを公開し、そのPFCバランスを計算してみます。
これは、私が2年以上かけて人体実験を繰り返してたどり着いた、日中の集中力を持続させ、夜の休息の質を高めるための、現時点での最適解です。
私の1日の全食事メニュー
- 朝食: プロテイン、ヨーグルト、ミックスナッツ50g、バナナ、ブルーベリー
- 昼食: ご飯1合、サバ缶 or 牛もも肉100g、ブロッコリー、トマト
- 夕食: ご飯1合、納豆、卵2個、アボカド、キムチ、ほうれん草の味噌汁
- 就寝前: プロテイン
【分析結果】私の「脳のための黄金比」
この食事内容を元に、私の1日の総摂取カロリーとPFCバランスを計算した結果が、こちらです。
P (タンパク質) | F (脂質) | C (炭水化物) | 合計 | |
摂取量 (g) | 約110g | 約80g | 約250g | |
カロリー (kcal) | 440 kcal | 720 kcal | 1000 kcal | 約2160 kcal |
カロリー比率 | 約20% | 約33% | 約47% | 100% |
見ての通り、私のPFCバランスは「P:20% / F:33% / C:47%」私がこのバランスに行き着いたのには、明確な戦略があります。
なぜ、このバランスなのか?
- 午前〜日中:PとFを重視し、安定飛行 朝食と昼食で、タンパク質(P)と良質な脂質(F)を重点的に摂取します。これにより、血糖値の乱高下を防ぎ、脳に安定したエネルギーを供給。日中の集中力と精神的な安定を維持します。サバ缶やナッツ、アボカドは、まさにこの時間帯の主役です。
- 夕方〜夜:Cをしっかり摂り、安全に着陸 1日の活動で消耗したエネルギーを回復させ、脳と体を休息モードに切り替えるため、夕食では複合炭水化物(C)であるご飯をしっかり食べます。炭水化物は、睡眠の質を高めるセロトニンの分泌を促す役割も担っています。
今日からできること
いきなり全てを真似する必要はありません。 まずは、「あすけん」のような無料の食事管理アプリを使って、ご自身の昨日の食事が、どんなPFCバランスになっているかを見てみることから始めてみてください。 自分の現在地を知ること。それが、脳を最適化する旅の、最も重要な第一歩です。
まとめ:PFCバランスを制する者は、自分の脳を制する
ADHDの脳を乗りこなすための食事術は、特定の栄養素を「悪者」にすることではありません。PFCそれぞれの脳への役割を正しく理解し、ご自身の体と活動量に合わせて、最適なバランスを見つけ出すことです。
まずは、あなたの食事の「現在地」を知ること。そして、朝食にタンパク質を少し増やしてみるなど、小さな実験を繰り返してみてください。
この記事が、あなたが自分だけの「黄金比」を見つけるための、最初のヒントになれば、嬉しいです。
【食事に関する重要なお願い(免責事項)】
この記事で紹介している食事法や栄養に関する情報は、筆者自身の経験とリサーチに基づいたものであり、全ての方に同じ効果を保証するものではありません。
食物アレルギー、既往歴、体質は一人ひとり異なります。特定の食材を多めに摂取したり、食事内容を大きく変更したりする前には、必ず事前に医師や管理栄養士にご相談ください。
ご自身の体調と安全を最優先し、無理のない範囲で実践いただくようお願いいたします。本記事の内容を実践したことによる、いかなる健康上の問題についても、当サイトは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
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