「AmbiLabo」のAmbiです。
私のADHDという名の車は、時にアクセルを踏んでもいないのに暴走したり、かと思えば大事な場面でエンストを起こしたりする、厄介なマシンです。
これまで、このマシンを乗りこなすために様々な「運転テクニック(ライフハック)」を試してきましたが、ある時ふと気づきました。「そもそも、入れる燃料が間違っていたのではないか?」と。
この記事は、私と同じようにADHDの特性に悩むあなたに贈る、脳のパフォーマンスを最大化するための「給油マニュアル」です。食事は治療法ではありません。しかし、私たちの脳を最高の状態に保つための、絶対に無視できない土台なのです。
【Labo】ADHDの脳が特に必要とする栄養素
なぜ特定の栄養素が重要なのでしょうか?その科学的根拠(エビデンス)と、具体的な摂取量の目安を解説します。
① タンパク質:脳と神経の「構造」そのもの
- なぜ重要?: 私たちの脳内で、やる気や集中力を司る神経伝達物質「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」。これらの材料となるのが、タンパク質が分解されてできるアミノ酸です。タンパク質が不足するのは、車のエンジンを作るための鉄が足りないのと同じことと言えるでしょう。
- どれぐらいの量が必要?: 体重によって変わりますが、最低でも「体重1kgあたり1.2g」、できれば「1.6g以上」を目指したいところです。体重65kgの方なら、1日に78g〜104gは必要という計算になります。
- 多く含まれる食品: 肉、魚、卵、大豆製品(納豆など)、乳製品(ヨーグルトなど)、プロテインパウダー。
② オメガ3脂肪酸:神経の働きを滑らかにする「最高級エンジンオイル」
- なぜ重要?: 脳の約60%は脂質でできています。特に、DHAやEPAといったオメガ3脂肪酸は、神経細胞の膜を柔らかくし、情報の伝達をスムーズにする役割を持ちます。
- どれぐらいの量が必要?: ADHDに関する多くの研究で、EPAとDHAの合計で1日あたり1,000mg(1g)以上の摂取が推奨されています。
- 多く含まれる食品: サバ、イワシ、サンマなどの青魚。クルミやアマニ油など。
③ 鉄分・亜鉛:ドーパミンを作る「特殊工具」
- なぜ重要?: タンパク質という材料があっても、それをドーパミンに変換する「工場」を動かすためには、鉄や亜鉛といったミネラルが不可欠です。
- どれぐらいの量が必要?:
- 鉄: 成人男性で1日7.5mg
- 亜鉛: 成人男性で1日11mg
- 【重要】注意点: 鉄や亜鉛は、過剰摂取が健康に害を及ぼす危険があります。サプリで補給する場合は、必ず血液検査などでご自身の状態を確認し、専門家と相談してください。
- 多く含まれる食品:
- 鉄: 赤身の肉(牛もも肉など)、レバー、ほうれん草
- 亜鉛: 牡蠣、赤身の肉、ナッツ類
【Ambi】「脳の燃料」メニュー(実践例)
では、この目標数値を、私が実際に毎日何を食べてクリアしているのか、その全てを公開します。
食事メニューと栄養素の計算結果
【朝食】: プロテイン、ヨーグルト、ナッツ、バナナ等 → タンパク質:約35g
【昼食】: ご飯、サバ缶 or 牛もも肉等 → タンパク質:約20~25g, オメガ3:約3,300mg, 鉄:約2.5mg, 亜鉛:約4.5mg
【夕食】: ご飯、納豆、卵2個、味噌汁等 → タンパク質:約20g, 鉄分 : 約4.3mg,亜鉛 : 約2.1mg
【就寝前】: プロテイン → タンパク質:約20g
【分析結果】私の1日の摂取量
この食事で、目標とする栄養素がどれだけ満たされているか、数字で見てみましょう。
栄養素 | 目標量 (体重65kg) | 私の摂取量(推定) | 達成度 |
タンパク質 | 78g 〜 104g | 約100g | ◎ 完璧 |
オメガ3 | 1,000mg 以上 | 約3,300mg | ◎ 完璧 |
鉄分 | 7.5mg | 約6~8mg | △ ほぼOK |
亜鉛 | 11mg | 約8~10mg | △ ほぼOK |
見ての通り、タンパク質とオメガ3は、この食事法で十分にクリアできます。鉄と亜鉛は、日によっては少し不足する可能性もあるため、私は3日に1回は、鯖の代わりに赤身の肉を食べることで、バランスを取っています。
結論:まずは「燃料」から見直しましょう
私たちのADHDというマシンは、確かに扱いにくいかもしれません。 しかし、それは欠陥品だからではなく、本来の性能を発揮するための、正しい燃料とオイルが供給されていなかっただけなのかもしれません。
まずは食事という土台を見直すこと。それが、ご自身のマシンを乗りこなす、最も確実で力強い第一歩になるはずです。
【食事に関する重要なお願い(免責事項)】
この記事で紹介している食事法や栄養に関する情報は、筆者自身の経験とリサーチに基づいたものであり、全ての方に同じ効果を保証するものではありません。
食物アレルギー、既往歴、体質は一人ひとり異なります。特定の食材を多めに摂取したり、食事内容を大きく変更したりする前には、必ず事前に医師や管理栄養士にご相談ください。
ご自身の体調と安全を最優先し、無理のない範囲で実践いただくようお願いいたします。本記事の内容を実践したことによる、いかなる健康上の問題についても、当サイトは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
コメント