ランニングマシンは人類が生み出した拷問器具だと思っているあなたへ
「運動は体にいい」と分かっていても単調なランニングや長い筋トレは退屈で苦痛でどうにも続かない。ADHDの脳を持つ僕らにとってそれは「あるある」すぎて、もはや挨拶のようなものですよね。僕らの脳は常に新しい刺激を求める、わがままなスーパーカーのようなものです。
この記事ではそんな僕らの脳のためにデザインされたかのような究極のトレーニング法「HIIT」を紹介します。なぜHIITが僕らの脳に驚くべき効果をもたらすのか、その科学的な理由と僕が実際に実践している、たった4分で終わる具体的な実践方法を全て解説します。
【Labo】なぜHIITはADHDの脳にとって最高のトレーニングなのか?
HIITの効果は気合や根性論ではなく、全て科学的な根拠に基づいています。
理由①:脳の「報酬系」を直接ハックする
ADHDの脳で不足しがちなやる気と快感の脳内物質「ドーパミン」。HIITのような爆発的な運動はこのドーパミンの分泌を強力に促進します。運動後に得られるあの爽快感とクリアな思考は、脳がドーパミンで満たされた証拠なのです。
理由②:脳を育てる「魔法の肥料」が溢れ出す
HIITは「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質の分泌を促します。これは新しい神経細胞の成長をサポートするまさに「脳の肥料」のようなもの。BDNFが増えることで僕らの記憶力や認知機能が向上することが研究で分かっています。
理由③:脳が「飽きた!」とストライキを起こす前に終わる
これが最も重要な点かもしれません。僕らの脳が「この作業なんか面白くないかも」と気づき集中力を失う前にHIITは終わります。「全力で20秒、休んで10秒」という短いインターバルが脳に新しい刺激を与え続け、「退屈」という敵に圧勝するのです。
【Ambi】僕が実践する「4分間バーピーHIIT」完全マニュアル
これは僕が実際に行っているメニューです。準備するものはスマホのタイマーと畳一畳分のスペースです。
まずは2分ほど軽くジャンプしたりアキレス腱を伸ばしたり、適当に体を温めてください。
最強にして地獄のエクササイズ「バーピー」
バーピーはそのキツさから多くの人に恐れられていますが、同時に全身を最も効率的に鍛えられる「運動の王様」でもあります。正しいフォームで行えば、怪我のリスクも少なく最高のトレーニングになります。
基本の6ステップ
- まず、まっすぐに立ちます。
- 次に、しゃがんで両手を肩幅で床につけます。
- 両足を一気に後ろに蹴り出し、腕立て伏せの姿勢(プランク)になります。
- 今度は逆に、両足を一気に元のしゃがんだ位置に戻します。
- そこから、真上に高くジャンプします。
- 着地して、また①の姿勢に戻ります。この繰り返しです。
「無理!」と思ったあなたのための、優しいバージョン
「ジャンプとか絶対無理!」という方、安心してください。 その場合は、ステップバック・バーピーを試しましょう。
- 3の「両足を一気に後ろに」の部分を、片足ずつ後ろに歩いてプランクの姿勢になります。
- 4の「両足を一気に戻す」の部分も、片足ずつ歩いて戻します。
- 5の「ジャンプ」はせず、ただスッと立ち上がるだけでもOKです。
これでも心拍数は十分に上がります。大切なのはジャンプではなく、動き続けることです。
「物足りない!」という猛者のための、上級バージョン
もしあなたが体力に自信があるなら、3と4の間に腕立て伏せを一回追加してみましょう。
準備ができたらタイマーを「20秒の運動、10秒の休憩、8セット」に設定します。 最初の20秒は人生最後の20秒だと思って全力でバーピーを行います。次の10秒は完全に動きを止め呼吸を整える。これを合計8回繰り返しましょう。
終わったらそのまま倒れこまず、歩いたり少し体を動かしながら、生きていることを実感しながら3分ほどゆっくり深呼吸します。
「バーピーとか無理!」と思ったあなた、大丈夫です。その場合はその場での全力の「もも上げ」や「スクワット」でも全く問題ありません。重要なのは種目ではなく「心臓がバクバクするらいの強度」です。
「これだけじゃ物足りない!!」という方、筋トレもやっちゃいましょう。具体的な筋トレメニューはこちらからどうぞ。
まとめ:最高の脳の起爆剤を手に入れよう
HIITはただの時短トレーニングではありません。それは僕らのADHDの脳を最高の状態に目覚めさせるための、最も効果的で科学的な「起爆剤」なのです。
必要なのはたった4分の時間とほんの少しの勇気だけ。 さあ僕らの脳に、雷を落としてやりましょう!
【運動を始める前の重要なお願い(免責事項)】
この記事で紹介している運動法は、筆者自身の経験とリサーチに基づいたものであり、全ての方に同じ効果を保証するものではありません。 健康状態、体力、既往歴は一人ひとり異なります。新しい運動を始める前、特に持病をお持ちの方や、体に痛み・不安がある方は、必ず事前に医師や専門家(理学療法士、認定トレーナーなど)にご相談ください。 ご自身の体調と安全を最優先し、無理のない範囲で実践いただくようお願いいたします。本記事の内容を実践したことによる、いかなる怪我や損害についても、当サイトは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
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