どうも、AmbiLaboのAmbiです。
前回の記事では、HSPの約70%を占める「普通のHSP(内向型)」について、その静かなる強さを解説しました。
今回は、残りの約30%の中でも特に個性的で、かつ「自分は一体何者なんだ?」と迷子になりやすいタイプ、 「②HSS型HSP(内向的 × 刺激を求める)」 について深掘りします。
「自分がどのタイプか知りたい!」という方は、まずこちらの[HSPの4タイプ診断記事]をチェックして、自分の特性を確認してみてくださいね。
「新しいことが大好きで飛び込むのに、すぐに疲れて寝込む」 「周りからはアクティブだと思われるけど、中身はボロボロ」 「飽きっぽい自分は、どこかおかしいんじゃないか?」
もしそう感じているなら、あなたは壊れているのではありません。 「特殊な二重構造」の持ち主なだけなんです。
【Labo】HSS型HSPの正体は「爆走しながらブレーキをかける車」
HSS型HSPを一言で表すなら、こうなります。
「ドーパミン(刺激)を求めるアクセル」と「深く慎重に捉えるブレーキ」が同時にフル稼働している状態。
車に例えるなら、「時速200kmでサーキットを爆走(刺激追求)しながら、同時に路面の1mm単位の凹凸やマシンの異音をすべて検知してブレーキ(深読み)をかけている」ようなものです。
そんな極限状態の運転を続けていたら、エンジンはすぐにオーバーヒートするし、タイヤ(メンタル)も一瞬でボロボロになってしまいますよね。
なぜこんなに疲れるのか?
普通のHSPは「刺激を避ける」ことで自分を守ります。しかし、HSS型HSPは自ら「刺激」を求めて外へ飛び出してしまう性質があります。
- 好奇心が旺盛で、イベントやプロジェクトにワクワクして参加する(アクセル)
- 現場に行くと、音や光、人の感情を普通の人の数倍キャッチして疲弊する(ブレーキ)
- 帰宅後、一人反省会が始まり「なんであんなこと言ったんだろう」と落ち込む
この「行って後悔、行かなくて後悔」という強烈な矛盾こそが、自分を苦しめる正体です。
HSS型HSPのための「3つの生存戦略」
この矛盾した特性を乗りこなすには、「アクセルを弱める」のではなく、「ブレーキの性能を理解した運転技術」が必要です。
1. 「刺激の門限」をあらかじめ決める
HSS型は、楽しくなると限界を超えて動けてしまいます。アドレナリンが出ている間は「疲れ」を感じないからです。でも、そのツケは必ず翌日にやってきます。
【具体的なアクション】
- 「楽しいうちに帰る」アラームの設定: 飲み会やイベントでは、盛り上がっている最中の時間にアラームをセットし、「まだいたい」と思う瞬間にあえて席を立つ訓練をします。この「少しの物足りなさ」が、オーバーヒートを防ぐ唯一のブレーキになります。
- 「休む日」の事前予約: 刺激的な予定を入れる際、セットで翌日の午前中(または終日)を「予定なし」としてカレンダーを埋めます。この空白は「サボり」ではなく、エンジンの熱を逃がすための大切な「休息時間」です。
2. 「安全な刺激」のリストを作る
刺激が欲しいからといって、毎回「慣れない人付き合い」などのハードな場面に飛び込む必要はありません。対人刺激を伴わない、脳だけが喜ぶ刺激を見つけましょう。
【具体的なアクション】
- 「対人刺激ゼロ」一人での冒険を楽しむ: 誰とも話す必要のない「一人での新規開拓」を楽しみます。行ったことのない駅で降りてみる、知らないジャンルの本を1冊買うなど、新しい情報のアップデートだけに集中する時間を作ります。
- クリエイティブな没頭: 音楽、ブログ、イラスト制作など、自分の内側から外へエネルギーを出す活動を選びます。これらは「新しい発見(刺激)」を得つつ、HSPの「一人の時間」も確保できる最高のセッティングです。
3. 「飽きっぽさ」を「多才」と定義し直す
HSS型は、一つのことを極める前に次へ興味が移りがちです。これを「根性がない」と責める必要はありません。
【具体的なアクション】
- スキルの「かけ算」: 一つの分野で100点満点の「職人」を目指すのは、HSS型にとって苦行です。それよりも、「70点くらいの知識・趣味」を3つ掛け合わせてみてください。例: 「事務スキル」×「心理学の知識」×「動画編集が少しできる」 = 『心理的ハードルを下げ、誰にでも分かりやすく伝える編集者』 このように、バラバラで中途半端に見えるスキルを組み合わせるだけで、あなたは誰にも真似できない「レアな存在」になれます。
- 「飽きた」を「攻略完了」のサインとして受け入れる: 何かを辞めたくなった時、「続かなかった」と落ち込むのは禁止です。代わりに、「このジャンルの基本ルール(仕組み)はもう攻略した!」と定義し直してください。HSS型にとって「飽きる」のは、脳が十分に学習して「満足した」というポジティブなサインなのです。あなたは飽き性なのではなく、人より早く本質を掴める「学習のプロ」なのです。
【Ambi】「静かなる冒険家」。HSS型HSPだけの3つの特殊能力
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるあなたは、いわば「超高性能なハイブリッド・スポーツカー」です。乗りこなし方さえ覚えれば、他のタイプには到達できない領域へ行ける、3つの特殊能力を持っています。
1. バラバラな知識を繋ぎ合わせる「アイデア結合職人」
「飽きっぽさ」は、実は最強の才能です。 一つの場所に留まれず、次々と新しいジャンルに興味が移るのは、あなたの脳内に「全く違うジャンルの知識」がどんどん蓄積されているということ。
普通のHSPが「一つの穴を深く掘る」のが得意なら、HSS型は「複数の穴を掘って、地下でトンネルを開通させる」のが天才的に上手いです。 「ITの知識」と「介護の経験」、「趣味のアニメ」と「仕事のマーケティング」など、普通なら繋がらない点と点を結びつけて、あなただけの新しいアイデアを生む。この「かけ算の発想」こそが、AIには真似できない、これからの時代に最も重宝される武器になります。
2. リスクを予見しつつ突き進む「慎重な開拓者」
非HSPの刺激を求めるタイプの人は、リスクを顧みず突っ込んで大怪我をすることがあります。しかし、HSS型HSPのあなたは意識せずとも「最速で安全なルート」を選んでいます。 「新しいことがしたい!(アクセル)」と同時に「でも、ここが危ないかも(ブレーキ)」というシミュレーションが常に脳内で回っているからです。
3. 深い共感で人を揺さぶる「情熱的な表現者」
HSS型HSPは、刺激への感度が高い分、人一倍「感動」や「痛み」を鮮烈に味わいます。そして、それをHSP特有の深い思考で分析し、形にすることができます。 あなたの発信や表現には、「熱量」と「繊細さ」が同居しています。だからこそ、相手の心に土足で踏み込むことなく、それでいて情熱的に、相手の魂を揺さぶることができる。その二面性は、周囲にとって「信頼できるカリスマ」として映るはずです。
まとめ
HSS型HSPの攻略法:
- 「まだ楽しみたい」で帰る勇気を持って、「休む日」を決めておく
- 自分一人で楽しめる「軽い刺激」を見つける
- 飽きっぽさは「広く世界を知るための才能」だと割り切る
「矛盾」しているからこそ、誰よりも激しく人生を味わい、誰よりも深くその意味を考えられるということです。
次回は、HSPの4タイプ解説の3つ目。 「一人は寂しい、でも人といると疲れる」という切ない矛盾を抱えた、 「③HSE(外向的 × 刺激を求めない)」 について解説します。お楽しみに~
【HSP関連の記事を読む上での重要なお願い(免責事項)】
当ブログのHSP(Highly Sensitive Person)に関する記事は、提唱者であるエレイン・アーロン博士の概念、および筆者(Ambi)の実体験や学習した情報をもとに執筆しています。記事を読み進める前に、以下の点をご理解いただけますようお願いいたします。まず、HSPは心理学的な「気質(生まれ持った性質)」の概念であり、精神医学上の病名や障害名ではありません。したがって、当ブログで紹介するセルフチェックや特徴は、医学的な診断を行うものではありません。また、「生きづらさ」や「過敏さ」は、HSPだけでなく、うつ病、適応障害、不安障害、または発達障害(ADHD/ASD)などの特性によって引き起こされている場合もあります。日常生活に著しい支障がある場合や、精神的な不調が続く場合は、自己判断せず、必ず心療内科や精神科などの専門機関にご相談ください。なお、記事内で紹介している対策(ハック術)や考え方は、筆者の体験や一般的な傾向に基づくものですので、感じ方や効果には個人差があることをあらかじめご了承ください。
【情報源・参考文献】
書籍:
- エレイン・N・アーロン (著), 冨田 香里 (訳)『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(講談社, 2000年)
- 岡田 尊司 (著)『過敏な人たち:どうしてこんなに疲れやすいのか』(PHP研究所, 2017年)
Webサイト:
- The Highly Sensitive Person (hsperson.com)
- Dr. Elaine Aronの公式サイト。HSS(High Sensation Seeking)セルフテストおよび、特性の解説を参照。
- Psychology Today
- Sensation Seeking と Sensory Processing Sensitivity (SPS) の二重特性に関する心理学的知見を参照。

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